この記事では「ABCモデル」について紹介していきます
- ABCモデルってなに?
- 看護師の仕事でどう使えるの?
という疑問について、わかりやすく解説していきます
まず結論から言うと、ABCモデルは、行動の理由を「きっかけ・行動・結果」の3つに分けて整理する考え方です
私は患者さんの行動や自分の行動について考えたいときによく使っています

難しそうに聞こえるかもしれないけど、わかりやすく説明していくね!
ABCの3つはこんな感じです
行動の理由がわかると、自分や人を責めるのではなく「環境をどう変えるか」を考えられるようになります
このあたりをふまえて、この記事ではABCモデルの基本と、看護師の現場での使い方を解説していきます
- 3回転職している看護師
- 今はメンタルクリニック勤務
- 転職したから楽しく続けられている
ABCモデルとは?⇨行動の「理由」を見つける3つの枠組み
ABCモデルとは、行動の理由を「きっかけ→行動→結果」の3つで整理する枠組みです
行動の「前」と「後」をセットで見ると、なぜその行動をしているのかが見えてきます

こんな感じで行動を3つに分けていきます
例えば「先輩への報告をつい後回しにしてしまう」のも、報告の「前」と「後」に何があったかを見ると理由がわかります
看護師の毎日の場面も、ABCで考えると行動の理由が見えてきます
A・B・Cってなに?

ABCモデルの「ABC」は、英語の頭文字からとっています
- きっかけ:Antecedent
- 行動:Behavior
- 結果:Consequence
それぞれ一緒にみていきましょう

「結果(C)」が行動の続きやすさに関わるいちばん大事なポイントだよ!
きっかけ(A):行動の直前の状況
きっかけ(A)とは、行動する「直前」の状況や環境のことです
「○○のとき」という形で表されることが多いです
たとえばこんな感じです
- 場所:ナースステーションにいるとき
- 人:苦手な先輩がいるとき
- 時間帯:夜勤明けのとき
- 頭に浮かんだ考えや気持ち:不安なとき
- 身体の状態:疲れているとき
同じ人でも、きっかけとなる状況が変わると行動も変わります
「どんなときに起きているか」を見ると、行動のきっかけが見えてきます

夜勤明けで疲れているときは、いつもはすぐやる記録も後回しにしがちだったよ!
行動(B):実際にとる具体的な行動
行動(B)とは、私たちが実際にとる具体的な行動のことです
「○○する」という形で表されることが多いです
たとえばこんな感じです
- 報告する
- 我慢する
- 相談する
- 考える
「話さない」など「○○しない」は行動にはあたりません
「○○する」と言えるものだけを行動として書くと、ABCで整理しやすくなります

「イライラする」「ドキドキする」などの気持ちは、行動ではなくきっかけ(A)だよ!
結果(C):行動の直後に起きる環境の変化
結果(C)とは、行動した「直後」に起きる環境の変化のことで、行動の続きやすさを決めるいちばん重要なポイントです
「○○になった」という形で表されることが多いです
たとえばこんな感じです
- 褒められた
- 怒られた
- 「ありがとう」と言われた
- それまであった不安が減った
この結果が「メリット」になると行動は増えやすく、「デメリット」になると減りやすくなります
行動を増やしたいときも減らしたいときも、結果(C)に注目してみましょう

報告して「ありがとう」と言われたら、次も報告しやすくなるよね!
看護師の仕事でABCモデルを使ってみる

看護師の仕事でよくある場面も、ABCに分けると行動の理由が見えてきます
たとえば、こんな場面は看護師あるあるですよね
- 先輩に報告しにくい…
- ぐるぐる考えてしんどくなる…
- ナースコールが鳴りやまない…
この3つの場面を、ABCに分けて整理していきましょう
例①:先輩に報告しにくい
先輩に報告しにくくなるのは、報告したあとに「詰められた」という結果のせいかもしれません
例えば、苦手な先輩に報告したら、詰められたとします
| きっかけ(A) | 行動(B) | 結果(C) |
| 苦手な先輩がいるとき | 報告する | 詰められた |
報告した直後に嫌なことが起きたら、次から報告しにくくなるのは自然なことです
私が新人のころに報告するたびに厳しく詰めてくる先輩がいて、報告の前に「こわい…報告したくない…」と億劫になっていました
報告しにくいのは性格やスキルの問題ではなく、環境の影響かもしれません

すぐに報告できない自分を責めると「個人攻撃の罠」にハマりやすくなるよ!
「個人攻撃の罠」について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください▼

例②:ぐるぐる考えてしんどくなる
ぐるぐる考えてしまうのは、考えた直後に「何かしている感じがする」という結果が影響しているのかもしれません
例えば、先輩に詰められたことが頭に浮かんだときに、ぐるぐる考えたとします
| きっかけ(A) | 行動(B) | 結果(C) |
| 詰められたことが頭に浮かんだとき | ぐるぐる考える | 何かしている感じがする |
考えている間は「何かしている」感じがするので、ぐるぐる考えることは増えやすくなります
ぐるぐる考えているうちに「しんどくなる」こともありますが、これは遅れてやってくる結果なので、しんどくてもぐるぐるは減りにくいのかもしれません
私は先輩に詰められたことをぐるぐる考えて、「しんどい…もう辞めたい…」と思うことがありました
しんどいのにやめられないぐるぐる思考も、ABCでみると理由がみえてきます

ぐるぐる考えてしんどくなってしまうなら、考えを手放すのも効果的だよ!
ぐるぐる思考と距離をとる方法について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください▼

例③:ナースコールが鳴り止まない
ナースコールの連打は、押したあとに「看護師が来てくれて不安が減った」という結果が影響しているのかもしれません
「さっき行ったばっかりなのに!」って思うことありますよね
例えば、看護師がいないときにナースコールを連打する患者さんがいたとします
| きっかけ(A) | 行動(B) | 結果(C) |
| 看護師がいないとき 不安が大きいとき | ナースコールを連打する | 看護師が来てくれた 不安が減った |
駆けつけた看護師に用件を言わなかったとしても、「意味もないのに押した」わけではありません
患者さんにとっては「看護師が来てくれる」こと自体が意味のあることなのかもしれません
連打したときに看護師が来たのであれば、ナースコールが増えやすくなります
連打しなくても看護師が来るという結果や安心感があれば、ナースコールは減るかもしれません

ナースコールを連打してる患者さんの理由が見えやすくなるね!
ABCモデルを使うときの3つのポイント

ABCモデルを使うときのポイントはこの3つです
- AとCは「直前・直後」に絞る
- Bは「具体的な行動」だけ書く
- 問題の解決に役立つツールとして使う
それぞれ一緒に見ていきましょう
ポイント①:AとCは「直前・直後」に絞る
1つめは、きっかけ(A)と結果(C)を、行動の「直前・直後」に絞ることです
行動には、時間が経ってから起こった結果よりも、すぐ前とすぐ後に起きたことが関係しやすいです
たとえば「ダイエットしたいのに休憩中にお菓子を食べ過ぎてしまう」のがわかりやすい例です
「お菓子を我慢すれば数か月後にやせられる」とわかっていても、「食べたらおいしい」という直後のメリットがあると、つい食べてしまいやすくなります
「ダイエットできないのは自分の意志が弱いから」ではなくて、「意志だけで行動するのは難しい」ことなのです
「今、ここ」の前後に注目していきましょう
ポイント②:Bは「具体的な行動」だけ書く
2つめは、行動(B)には「具体的な行動」だけを書くことです
気持ちや「○○しない」を行動に入れると、何を変えればいいのかがわからなくなります
- 「不安になる」「やる気が出ない」⇨気持ちなので、きっかけ(A)
- 「スマホを見ない」「怒らない」⇨行動ではないので、「代わりに何をするか」で考える
たとえば「スマホを見ない」なら、「スマホを見ない代わりに本を読む」に変えられます
「しない」ではなく「代わりに何をするか」で考えていきましょう
ポイント③:問題の解決に役立つツールとして使う
3つめは、自分を責めるためではなく、問題を解決するためのツールだということです
ABCモデルは、行動の理由を「環境」から読み解くための枠組みです
たとえば先輩に報告しにくいときは
- 先輩が落ち着いているタイミングで報告する
- 報告することをメモにまとめておく
こんな感じで、きっかけとなる状況(A)や行動(B)を変えることで、報告しやすくなるかもしれません
「うまくできない私が悪いんだ」と自分を責める必要は全くありません
うまくいかないのは、環境が合っていないだけかもしれません
困りごとを解決するのに役立つツールとして使っていきましょう

うまくいかないときこそ、ABCで整理するのがおすすめだよ!
まとめ:ABCで行動の流れを整理してみよう!
ここまで読んでいただきありがとうございます!!
ABCモデルは、行動の理由を「きっかけ→行動→結果」の3つで整理する枠組みです
特に、行動した直後の「結果」が、その行動の続きやすさに大きく影響します
報告しにくいのも、ぐるぐる考えてしんどくなるのも、ナースコールの連打が増えるのも、ABCで見ると理由が見えてきます
うまくいかないときは自分や人を責めるよりも、まずABCで行動の流れを整理してみましょう
看護師を辞めたい・向いてないと思ったときに最初に知ってほしいことについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください▼




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